こんにちは、マーケティング担当の金尾です。
弊社は「日本Androidの会」というコミュニティを賛助会員という形で支援しておりまして、私自身も運営委員として参画させていただいています(ここ半年くらいはサボっておりましたが^^;)。
このコミュニティは(ほぼ)毎月、定例会という技術セミナーを開催していまして1月は「Android x XR(VR/AR)」というテーマで先日開催されました(テーマは毎月変わりますので、ご興味があればこちらの Connpas のコミュニティグループをフォローいただければありがたいです)。
今日のブログでは、その内容を簡単にご紹介しつつ、感じたことを綴ってみたいと思います。
セッション#1:Azure Spatial Anchorsはじめてみた
会場が日本マイクロソフトさんのセミナールームを使用したこともあってか、1つ目のセッションはマイクロソフトの千代田 まどか(ちょまど)さんが「Azure Spatial Anchorsはじめてみた」というタイトルで講演されました。
スライドは後日公開される予定となっていますが、まだ公開されていないので紹介された内容の一部をかいつまんでみます。
「Azure Spatial Anchors」は AR 上においたオブジェクトの「Spatial(空間の)」情報を Azure 上に保存し、マルチユーザー(異なるデバイス)でコンテンツを共有できる仕組みを提供するものです。
(以下のデモ動画をみていただければイメージしやすいかもしれません)
この動画では Android のスマホで道端に標識のオブジェクトを配置し、その空間データを Azure Spatial Anchors にアップロードした後、HoloLens で見ると同じ位置に同じ標識が表示されるというデモになっています(HoloLens を被った人が HoloLens のカメラで撮影した内容なので、少し分かりづらいかもしませんが)。
で、「この機能を Unity を使って Android のアプリに実装する方法はこちらのページのガイダンスに沿って行えば簡単ですよ!」という話のセッションでした。
ちなみにこの「空間情報」は、GPS などで取得した Gio データではなくて、オブジェクトが配置された周りの環境の特異点という形で保存されているそうです。弊社では BLE や GPS を使った位置情報のサービスを提供していますが、こういう AR を使った空間情報の視点も組み合わせると面白い使い方が生まれそうだなと感じました。
また「Android でも iPhone でも同じオブジェクトを共有できるの?」と思われた方もいると思いますが、もちろんできます。その実装をより簡単にする Unity の AR Foundation というフレームワークの話が次のセッションでした。
セッション#2:AR Foundationの概要(他)
「AR Foundationの概要」と「AR Foundationのサンプルを元にMyアプリをつくるために」と「ARCoreアップデート」についての内容を日本Androidの会の運営委員でもある eegozilla さんが話されました(余談ですが、eegozilla さんは上記の内容をそれぞれ別の方に話してもらおうと思っていたようなのですが調整をミスった結果、全て自分で話すことになったそうです^^;)。
この AR Foundation は端的に言うと、AR アプリを (Unity で)マルチプラットフォーム対応することを容易にできる機能のパッケージ(?)みたいなもで、現在は AR Foundation 3.0 が最新のようです。もちろん Android で AR アプリを作るには ARCore が必要ですし、iOS の場合は ARKit と異なる SDK が必要ですが、AR Foundation はそれぞれの SDK の上のレイヤーで共通化できる機能を包括してくれる仕組みになっています。
eegozilla さんは AR Foundation のサンプル集を翻訳して Github で公開されているのですが、そのサンプルを使用していく中で得た知見を話してくれました(セッション動画もこのブログの最後につけておくので、これから手を付けてみようと思われている方は事前に一度見ておくと良いと思います)。
その他、そもそもの「AR Foundation の概要」や「ARCore の最新情報」などもカバーしていました。それぞれ使用したスライドが公開されているのでご興味があれば見てみてはいかがでしょうか。
LT #1:AR Foundationで子猫と戯れる
ここからは実施された LT を2本ご紹介。まずこちらは株式会社カブクの高橋さん。
どうやら技術評論社の Software Design 誌で「スマホ AR アプリ開発入門」という連載を持たれているようで、その誌面で使ったサンプルの Github 上で公開しておられました。
https://github.com/ktaka/arkitten2019
発表スライドはこちら
LT #2:ウェアラブルデバイスで切り開く、XR × スポーツの未来
続いては青山学院大学の石井さん。
なんと、卒論の期限が一週間後に迫っている中で LT 登壇されたツワモノ ^^
「AR にウェアラブルデバイスを使うことで視野以外の情報を扱う表現をしたい」とのことで、進捗をまた聞きたいと思わされた発表でした。
発表スライドはこちら
最後に – 動画も公開中
あっという間に時間が過ぎたセミナーでしたが、一通り動画で見ることもできますのでぜひご覧ください(※2020/1/30に動画を差し替えました)。
いつも扱っているもの以外のテクノロジーに触れることで広がる可能性があると思っているので、また気になる会がありましたら紹介して行きたいと思っています(興味があればぜひ定例会にもお越しください)。
では、また!