こんにちは、マーケティング担当の金尾です。
ビーコンと連動したスマートフォンアプリをリリースすると「受信できません」との問い合わせを受けることがありますが、だいたいは「(スマートフォンの) Bluetooth 設定が On になっていない」ということが多いです。
最近はスマートウォッチや(BLE 接続の)イヤホンの利用者も増えてきたので、そういう方は減ってきているのではないかなと思っているのですが、必ず一定数おられるのでアプリのマニュアルに FAQ として明記しているところがほとんどだと思います。
一方で、不マートフォンの OS が BLE 対応していないバージョンのために使用できないという方もおられたりするので、どれくらいインパクトがありそうなのか少し調べて見ました。
(注:OS のバージョンが対応版であってもハードウェア側が BLE に対応していないというケースもありますが、本記事内ではその点は考慮していません。)
BLE 対応したバージョンは?(Android/iOS)
今さら感はありますが、Android と iOS それぞれの BLE 対応バージョンをまずは確認したいと思います。
iOS は、「iOS 5.0 以降」
(出典元「Apple Developer」:https://developer.apple.com/documentation/corebluetooth)
Androidは、「Android 4.3 以降」
(出典元「Android Developers」:https://developer.android.com/guide/topics/connectivity/bluetooth-le)
それぞれ 5年以上前のバージョンですので結構人数は少なそうな気がします。
ただ、Android については弊社では低くても 5.0 以上を推奨しているので、本記事内では Android 5.0 以上を BLE 対応 OS として計算していきます。
バージョン別のシェアは?
OSバージョン別のシェアは「スマタブinfo」というサイトのデータをお借りしました。
これによると、日本のシェアは以下のようになっています。
Android 5.0 以上のシェアは、「96.69%」(すなわち、BLE 非対応は 3.31%)
iOS 5.0 以上のシェアは、「99.998%」(BLE 非対応は 0.002%)
(出典元「スマタブinfo」:http://smatabinfo.jp/index.html)
iOS に至っては、iOS 12 と iOS 11 だけでも 97.22% と新しいバージョンを使用しているユーザが非常に多いことがわかります。
日本のスマートフォン ユーザー数は?
まず、日本の人口は今年の3月1日時点で 126,230,000 人(1億2624万8千人) だそうです。
(出典元「総務省統計局」:https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html)
また、スマートフォンの個人保有率は2017年時点で 60.9% だったようです。
(出典元 総務省「平成30年度版 情報通信白書」
:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd142110.html)
個人所有率のデータは少し古いですが、そこまで大きな変動はないだろうという前提でこの数値を使います。
Android と iPhone の市場シェアは?
こと日本においては数年前までは iPhone の方がシェアが高いという状況だったと思うのですが、少し調べてみるとどうやら昨年あたりからそれぞれ50%前後を抜きつ抜かれつという状況になっているようです。
以下のブログ記事をみると、以下のようになっています。
2017年10月時点 「iPhone 68.2% : Android 31.8%」
2018年9月時点 「iPhone 43.9% : Android 56.1%」
2019年1月時点 「iPhone 41.1% : Android 58.9%」
(出典元 bitWave 「iPhoneシェア率が異常!世界と逆をいく日本のスマホ市場【2019年3月】」:https://bitwave.showcase-tv.com/iphone%E5%BC%B7%E3%81%99%E3%81%8E%EF%BD%9C%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%83%91%E3%82%B4%E3%82%B9%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%9B%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%82%B7/)
これを見ると Android がここ一年でかなり巻き返しているのですが、この記事のデータの参照元をみてみると最新の2019年7月時点では、「iPhone が 59.19%」となっていてまた逆転しているように見受けられます。
(出典元 webrage「スマートフォン・シェアランキングTOP10」:https://webrage.jp/techblog/sp_share/)
ということで、この数値の揺れは今後も少し続きそうなので間を取って「それぞれ 50% のシェア」であるという前提でこの後の計算を進めます。
とどのつまりは?
以上のデータを整理して、算出すると以下のようになります。
項目 | 数値 | 参照元 |
人口 | 126,230,000 | 総務省統計局 |
スマートフォンの個人保有率 | 60.9% | 総務省「平成30年度版 情報通信白書」 |
スマートフォンユーザー数 | 76,874,070 | (上記から算出) |
Android シェア | 50% | 推定値 |
Android ユーザー数 | 38,437,035 | (上記から算出) |
iPhone シェア | 50% | 推定値 |
iPhone ユーザー数 | 38,437,035 | (上記から算出) |
Android 4.4以下のシェア | 3.31% | スマタブinfo |
BLE 非対応の Android ユーザー数 | 1,272,266 | (上記から算出) |
iOS 4 以下のシェア | 0.002% | スマタブinfo |
BLE 非対応の iOS ユーザー数 | 769 | (上記から算出) |
すなわち、
Android ユーザーで BLE を使えないのは、「127万人」程度
iPhone ユーザーで BLE を使えないのは、「800人」程度
ということのようです。
この数値をどう見るかは人それぞれ判断が分かれるところだと思いますが、私の肌感としては「実数で見ると思った以上に Android で BLE 非対応バージョンを使用している人が多くて、iOS は想像以上に少なかった」と感じました。
もちろんアプリを作る側としてはアプリの対象 OS を指定して開発するので、そもそも新し目のバージョン指定としてしまえば良いと言えばよいのですが、全体的なシェアやユーザー数の規模感を頭に置いておくと判断基準の参考にもなるのではと思っています。
上記の表に自社のアプリのユーザー数などの数値を加味して計算してみると、また違った知見を得られるかもしれません。
ご参考になるようであれば嬉しいです。
では、また。
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