「このお店、空いてるかな?」と立ち寄った喫茶店が、満席で入れなかった経験はありませんか?あらかじめ店内の空席状況がわかれば、お客様はよりスムーズに席を確保でき、お店側も回転率を向上させることができます。そこで今回、これらの課題を解決する圧力センサーと BLE を活用した空席管理システムを開発してみたのでご紹介します。
#本記事でご紹介する内容は、2024年11月20日(水)~22日(金)にパシフィコ横浜にて開催される「EdgeTech+2024」の弊社ブース(小間番号BG-09)にて実際にお試しいただけます。
皆さまのご来場を心からお待ちしております。
システムの仕組み
このシステムでは、椅子の足元に設置した圧力センサーが、人が座ったかどうかをリアルタイムで検知します。そして、座ると自動的にビーコンが Bluetooth Low Energy(BLE)電波を発信。店外のデジタルサイネージにインストールされた専用アプリがBLEの電波をキャッチし、お店の空席状況を表示します。
仕組みとしては以下のようになっています。
- 圧力センサーの役割:椅子の足の下に設置された圧力センサーが、人が座ることで生じる圧力を感知します。このセンサーがこの仕組みのスタートポイントです。
このシステムではシート型の圧力センサーを使用しています。お客様が着席すると抵抗値が変化するため、その変化を利用して「座っている」「座っていない」を判別します。 - ビーコン(BLE電波)の役割:椅子に人が座ったことを検知すると、圧力センサーと連結しているビーコンが自動的にBLE電波を発信します。
- アプリの役割:店外のデジタルサイネージには専用のアプリがインストールされています。このアプリがBLE電波を受信し、リアルタイムで店内の空席状況のステータスを画面に表示させます。
このアプリに表示されるステータスは、例えば全ての椅子が埋まっている場合は「満席」と表示し、8割程度の場合は「若干の空席あり」と表示させるといったイメージです。もちろん単に椅子の数ではなく、二人席や四人席の場合でもお客様が一人でも着席していればその机は使用中と判断させるような仕組みにすることが可能です。
導入のメリット
この仕組みを導入する際のメリットは以下のようなものが挙げられます。
- リアルタイム情報の表示:店外のデジタルサイネージで表示している情報は常に最新の状態です。これにより、お客様がわざわざ店内に入らなくても、空席状況を簡単に確認できます。
- 時間帯別、テーブルごとの来店状況の把握:ビーコンの発信ログを蓄積することで、時間帯別の混雑状況の可視化が行えますし、テーブルごとの状況を分析することで適切な誘導ができているか、または1人で来られる方が多いのか3~4名での来店が多いのかといった店舗運営に役立つ視点での情報を得ることができます。
- 低コストでシンプルな導入:圧力センサーとビーコンは連結したハードウェアとなっており、設置はシンプルで、既存の椅子に手軽に取り付けることが可能です。また、このビーコンは電池駆動となっておりテーブルごとの電源確保は必要ありません。加えて、BLEは文字通り低消費電力で稼働する Bluetooth のため長期間利用いただくことができ、頻繁な電池交換も必要ありません。
- 柔軟なカスタマイズ性:システムは様々なサイズやレイアウトのお店に対応可能。大規模なカフェチェーンから、小さな喫茶店まで導入が可能です。またアプリに表示されるステータスの文字や設定も変更できます。
その他の活用シーン
今回は喫茶店での活用を想定して書きましたが、もちろんオフィスの在席状況の管理(特にオープンオフィスを採用している企業では有効と思われます)や会議室の利用状況のリアルタイムでの確認といったシーンでもご利用いただけると考えています。
最後に
芳和システムデザインでは、今回ご紹介した圧力センサーはもちろんのこと加速度センサー、温湿度センサー、ToFセンサーなどの各種センサー類と BLE や NFC といった近接通信機能を組合わせたハードウェア開発を得意としています。またスマートフォンアプリ開発やシステム開発も行えますので、ハードからソフトまで一気通貫の IoTソリューションをご要望に合わせて対応可能です。
PoC 目的の小ロットの開発から、本番展開に向けた量産まで承れますので、何かお困りのことがあるようでしたらお気軽にお問い合わせください。