ユーザーストーリーマッピング@南島原

こんにちは。コンサルティングチームの長谷川です。
先月行われた経産省・地方版IoT推進ラボに選定されている長崎県南島原市の事業「南島原ローカルITサービス創発塾」のアイデアソンに続き先日行われたハッカソンにもメンターとして参加してきました。
私がメンターを担当したのは「移住」をテーマにしたチームです。今回のハッカソンで移住チームは「SUMINA」という移住者と住民を結びつけるポータルサイトの提案、作成、運用のスキーム検討を行いました。
メンターという形で参加しましたが移住チームの作業もやらせていただき、改めて色々な手法があるなと大変勉強になったので今回はその手法のお話をしたいと思います。私も初めて知ったのですが、今回はユーザーストーリーマッピングという手法で必要な項目、情報をみんなで検討する事にしました。その模様を少しご紹介したいと思います。

ユーザーストーリーマッピングとは

ユーザーストーリーマッピングとはJeff Patton氏が提唱した手法で、製品の開発に着手する前の段階でその製品(今回のプロジェクトではポータルサイト)を使うユーザーの視点でストーリーを洗い出し定め、最終的にプロジェクトメンバー間で共通理解を得ることを目的としています。

これを行うことで、最終的なゴール(ユーザーが製品を使って成し遂げられること)が具体的に明示化され、その認識がメンバーで共通化されていることで、プロジェクトの過程で意図しない機能実装がなされてしまうことを避けることができ、また本当に(ユーザーにとって)必要な機能を絞り込むことで実装時間を最小限に抑えることができるようになります。
ストーリーマッピングを検討する上では、まずはじめにストーリーの視点となる(ポータルサイトの)ユーザーを定義する必要がありますが、今回は「地域住民」としました。

必要要素の洗い出し

まずは「ポータルサイトに必要な要素」を黄色の付箋に書き出し、メンバーそれぞれが思いついたことを自由に貼っていきます。付箋なので順番は後から変更できるので最初はその辺りを考えずにバンバンアイデアを出すことが重要です。

ある程度出てきたらその要素(機能)を時系列に並べれば基本的なアクションの部分は完了です。

ユーザーのアクションを掘り下げる

続いては、上記の黄色の要素(機能)に対してその下に青い付箋で「住民のアクションやできること」(青色の付箋)を並べていきます。

例えば黄色の要素で「情報が検索できる」という項に対して、青い部分で様々な検索方法を書いていきます。今回挙がったのは「文字検索」、「カテゴリー検索」、「ランキング検索」、「エリア検索」、「全文検索」、「クーポン検索」です。

実装機能の優先順位の策定

ユーザーのアクションを掘り下げた後は、その下のピンクの部分は何を使えば実現できるかを洗い出し、そういったものに対応するかなどさらに細かい情報を検討します。
最終的に、発表までの作業ボリュームなども加味し実装すべきものの優先順位を決めます。具体的には優先度が高くかつ実行可能な機能(MVP: Minimum Viable Product)を上に切り出し、その下の部分は第2フェーズなどで実装を検討するものとして切り分けます。

今回は「カテゴリー検索できる」などをMVPとして抽出しました。

検索のカテゴリー区分を整理

最後に「カテゴリー検索」を実装するために必要な「カテゴリー」を右側に書き出し検討しました。大項目を検討しその流れで中項目、小項目を思いつく限り書いていき、優先度を決めて並べ替えます。その中から「住む」「学ぶ」「泊まる」「買う」などを最終的なカテゴリーを抽出しました。

まとめ

結果、今回はカテゴリーごとに情報を整理してある検索しやすいポータルサイトの形が浮かび上がってきました。
ユーザーストーリーマッピングを利用してみての感想ですが、大人数で一気に情報を書き込んで貼っていくのでスピード感が出て凄く効率が良いように思えました。
また、付箋なので並べ替えが楽で優先順位がつけやすく、また何を決めれば良いのかが明確に見えてきました。
特にふわっとしたサービスやソリューションの基本要件を決める際に良い手法で大変勉強になりました。
次回は「移住チーム」の実装、取材、発表内容について書きたいと思います。

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