名刺をはんだに持ち替えて〜あるハードウェア エンジニアの奮闘記〜

こんにちは、マーケティング担当の金尾です。

弊社のハードウェア担当部門(設計部)は大井町オフィスにあります。そこでは長年勤めた飲食業界からIT業界の営業に転職し、さらにその後ハードウェアエンジニアとなったという異色の経歴の持ち主がいます。

これまでこのブログではあまりハードウェア開発にまつわる話をご紹介していませんでしたが、先日その彼に話を聞いてきたので、その内容を物語風の文体でお届けしてみようと思います。

営業部から設計部へ


その男の名は、鈴木悠平(本名)。
ジャッキーという愛称で皆に親しまれている。

営業担当として毎日勤しんでいた彼がハードウェアの設計/開発を行う設計部に異動したのは昨年の8月1日。
本人たっての希望というわけではなく、設計部の人員増強という会社の方針での異動だった。ただ彼には工学系のバックグラウンドも経験もない。さらにIT業界に入る前は、10年間飲食業で働いていたという変わった経歴の持ち主だ。

そんな彼が引き抜かれた理由は、ズバリ「手先が器用」という点に尽きた(もしかすると、飲食業時代の調理場での経験が手先を器用にしたのかもしれないが)。まぁ異動の経緯はさておき、配属から約一年ちょっと経た今では、実装について一通り責任をもって行えるまでスキルを伸ばしている。

ひたすら実装あるのみ


営業時代の勤務先は恵比寿オフィス。設計部に入ったことで大井町オフィスに通うことになった。環境も変わり、業務についても右も左も分からない状況だったが、すぐに実装作業に駆り出されることになる。

もちろん回路図を読めるスキルも無い中での作業だったが、持ち前の誠実さでひたむきに取り組んでいった。「一日でも早く役に立つようになるために、とにかく手を動かしました。特にはんだ付けはめちゃくちゃ練習しましたよ」と語る。コンデンサなどの部品の取り付けだけでなく、基盤にはんだを塗る作業も何枚やったかわからないくらい行った。

その中でも一番苦労したのが「はんだを温める時間」を会得することだったそうだ。はんだは温度が低くても高くても正しく接合することができないため、適切な温度を見極める必要がある。また基盤に塗る際もパッと見、きれいに乗っているように見えても、いざ実装してみるとうまく通電しないこともある。

「これを見極めるのは結構感覚的なところもあるんですよ」と(いっちょまえなセリフを)言うが、自分でその感覚が分かり始めてきたのは配属されてから3−4ヶ月目くらいの頃だった。

動くハードウェアを出すことの難しさと喜び


「営業時代にはハードは出てきて当たり前と思ってたんですが、その出てくる前にいろんな試行錯誤があり、動かないものを動かすようにすることは大変なことなんだと初めて分かりました」と邂逅する。

作業工程の難しさだけでなく、部品調達の段階などでも目に見えない苦労がある。特に量産を行う際には、市場の変動で先月までは容易に入手できていた部品の調達に数ヶ月必要となることがあったり、メーカーさんごとに取り扱っている部品が異なり調整が必要な場合もある。今では各メーカーさんとの窓口も任されているが、ここでは飲食業や営業の際に培ったコミュニケーション力が活きている。

一方で「自分が実装したものが、テスト段階できちんと動作確認できた時が一番嬉しく、やりがいを感じる瞬間です。」とも語る。弊社では個別案件用の試作機(ハードウェア)の設計/開発とともに、連携するアプリケーションやシステム側も一緒に任せていただくことが多い。そのため、試作機のテストはソフトウェアの部分も合わせて行うことになる。製作したハードウェアがシステムとして機能しているところまで見えることもその喜びを大きくしているのかもしれない。

鼻息をこらえつつ、将来を想う


ハードウェアの小型化の流れを受け、最近は0.6mm や 0.3mm サイズの部品を扱うことがほとんどだ。

そんな微小なサイズの部品はもちろん拡大鏡を見ながらの作業となるのだが、「鼻息一つで飛んでいってしまう」シロモノなのでこれまで以上に気を使う必要がある。

0.3mmの部品は、もはや私の目では識別不能

このように実装スキルを向上させている一方で、設計はすべて上司が行ってきた。最近は「設計も自分ひとりで出来るようになりたい」との思いで回路設計や基板設計の勉強を進めている。実装をこなす中で回路図はなんとか読めるようになったが、設計するとなると別のスキルが必要となる。

機械工学を学んだ経験も無い中で、日々の仕事をこなしながら学んでいくのは大変な道のりだ。ただ、今回の話を聞いて「ジャッキーならやってしまうかもしれない」と(少しだけ)感じた。

この奮闘記の続編が書かれるかどうかは、彼の今後の成長にかかっている。

さて、どうなるかご期待あれ。

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